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元検事のコラム

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ストーカー規制法について(その3)

その他

ストーカーの犯罪が成立するには、まず、

 ①【目的】特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的があること

が必要になります。

このような目的でつきまといや待ち伏せなどの行為に及ぶことが、ストーカーの犯罪成立のための第一歩となります。

そもそも条文が日本語として回りくどい表現で理解しにくいのですが、分解すると、好意の感情を充足する目的、又は、怨恨の感情を充足する目的ということになります。ただし、怨恨の感情は好意の感情が満たされなかったことに対する怨恨に限ります。相手が好意を受入れてくれず、恨みの感情に変化したというような場合です。

この目的の要件は犯人が否認することが多いです。

そもそも「目的」は犯人の内心や感情の問題であり目に見えません。また、自分自身で冷静に客観的に見つめ直すことが難しい場合があります。特にストーカーの場合は恋愛感情やそれが満たされない場合の恨みの感情というのは、プライドや羞恥心が邪魔をして冷静に見つめ直すことが難しいです。

好きだった相手に振られてその腹いせにストーカーをする人はそもそもプライドが高いことが多く「なんで俺が好意を寄せているのに振り向いてくれないんだ」などと思っていたりします。しかし、そのような感情があったこともプライドや羞恥心が邪魔をして認めづらいのです。

また、ストーカーが悪質な犯罪であることも十分分かっているので、自分がストーカーだと認めることもプライドが邪魔をして受入れられないのです。

そのため、捜査官に対して、自分がつきまといや待ち伏せなどをしたのは別の目的だとついつい言いたくなってしまいます。自分がストーカーであることを認められず、自分を正当化しようという欲求もあります。「自分がつきまといなどをしたのは間違いないがそれは○○の目的だったんだ、だから自分はストーカーじゃない」と無意識に自分自身を欺いている場合もあると思います。

中でもよくあるのは「貸した金を返してもらう目的である」という弁解です。交際しているときに金を貸したまま返してもらっていないから、それを返してもらうためにつきまといなどをしていたというのです。

よくよく話を聞いてみると「デートのときに食事代を立て替えたからその金を返せ」とか「同棲していたときに支払った光熱費を返せ」というような、そもそも金を貸したとは言えないだろうという場合が大半です。本人は「貸した」と主張していても被害者は「もらったものだ」と主張していて、被害者に返済義務があるのか明確でない場合もよくあります。

また、本当に金を貸していてその返済を求める目的があったとしても、同時に好意の感情や怨恨の感情を充足する目的も併存している場合がほとんどです。貸した金の返済を求める目的だけで何度もつきまといや無言電話を繰り返すことは考えにくく、このような行為を繰り返しているということは好意の感情や怨恨の感情を充足目的があるからだといえる場合が多いでしょう。

ですので「貸した金を返してもらう目的である」という犯人の弁解は多くの場合で通用せず、起訴されて有罪となる場合が大半だと思います。

このように、ストーカーの犯罪の目的の要件は分かりづらく否認もされやすいため、捜査官としては苦労する場合が多いです。ただ、犯人の供述する「貸した金」の内容を精査するとともに犯人が行ったつきまといなどの行為を照らし合わせれば、本当に貸した金の返済を求める目的だけで何度も何度もつきまといや待ち伏せなどをしたとは考えられないということになり、最終的にはストーカーの犯罪が認められる場合が多いと思います。

なお、好意の感情が満たされなかったことに対する怨恨の感情以外の恨みの感情や悪意の感情によってつきまといなどの行為を行う場合はストーカーには該当しませんが、多くの場合迷惑防止条例違反の犯罪となります。東京都の場合は東京都迷惑防止条例5条の2、8条2項2号に規定されています。

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